11月15日 22:39

第三十五章 迫り来る戦いのために…。[月夜のもとに]
…呼び出された俺は待ち合わせの場所に続く石段を昇っていた。

頭の中には今朝見たニュースが、まるで洗濯機の中の衣類のようにグルグルとひっきりなしに渦巻いている。


先生に何が起きたのか…。咲耶は先生を助ける術を知っているのか…。俺に何かできることはあるのだろうか…。

雨雲のようなどんよりとしたものに、頭を支配されている感じさえする。

最後の石段を昇ると、鳥居に寄りかかっている咲耶が視界に入る。

彼女は目を閉じて考え事でもしていたのだろうか腕を組んでいる体制をとっていた。

咲耶「…ここに来るまでにあらかた予想はついているとは思うが…。」

目を閉じている咲耶は、そのままゆっくりと語り始めた。

咲耶「…すみれ先生はこの一連の事件に深く関わってしまった。おそらくヤツにとり憑かれ、利用されているとみて間違いないだろう…。」

光一朗(ヤツ…以前咲耶が俺に話したこの事件の犯人である人外の化け物のこと…か。)


光一朗「…なぁ、先生を助ける方法はないのか…?」

俺の質問に対し、彼女は目を開ける様子もなく数秒間沈黙した。

咲耶「…ある。満月である今夜必ずヤツは動く。そこで倒せれば助かる。」
(るく)
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