10月16日 21:01

第二十二章 石段の先に見えるもの[月夜のもとに]
長い石段を勢いよくかけ上がる。両脇は生い茂った草木に囲まれ、さながら樹木のトンネルのようになっている。

やがて視線の先には石造りの鳥井が姿を表した。

タン、タン、ダンッ!!

石段の一番上に着くと、両膝に手をつき、肩で大きく息をしている自分の身体を支えた。

光一朗「…ハァ、ハァ、ハァ…フゥ。」


目の前に佇む神社はそんなに古いと言うわけではないが、どことなく歴史の重みの様なものを感じてしまう。


寺社は古くから聖域であると言われている。そういう人の気を引き締める力の様なものが働いているからなのかもしれない。


光一朗(さっきの、あの子はどこに…?)

光一朗「フゥ…ハァ…。」

肩で息をしている自分を落ち着ける為に一つ大きく深呼吸をした。

???「…何の用だ?」


落ち着きはらった女の声が耳に届く。声の主は腕組みをしながら、石造りの鳥井に寄り掛かっていた。

光一朗「…あ。いや、その…。」

初対面の人間にどう切り出したらいいか考えていると、向こうから口火を切ってきた。

???「お前、あのマスコミの男と親しいのか…?」

光一朗「え?なんでそんなこと…。」

(るく)
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