10月15日 23:17

第二十一章 なにげない時間(とき)の流れ[月夜のもとに]
放課後…。

俺は晃と成瀬さんとすみれちゃんの4人で帰路を歩いている。


必然的に俺は晃と並び、その後ろに成瀬さんとすみれちゃんが何か笑いながら話しているのが聞こえる。


なんでも学園側の配慮で、集団下校+引率者の先生一名で今後警戒体制を取るらしい。


晃は最初、「小学生じゃあるまいし、集団下校って…。」と愚痴を溢していたが、引率がすみれちゃんとわかると文句を言わなくなった。


すみれちゃん「ねぇ佐伯君、体はもう平気かな?」


後ろで話していたすみれちゃんから授業中青ざめていた件で話しかけられた。


光一朗「もう大丈夫です。心配かけてすみません。」

その言葉を聞いたすみれちゃんは笑顔で

すみれちゃん「よかった。おまじないが効いたみたいで。」

と言葉を返してきた。おまじないって…?と思ったが、心配かけてしまったこともあるので聞かなかった。


成瀬さんの家に近付いてきた時、俺は視界の隅に見覚えのある制服の背中を見つけた。


光一朗(…あれは…。間違いない。公園で見たあの女の子だ…。)


そう思うと足は自然と彼女が登った石段をかけ上がっていく。
(るく)
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