10月14日 20:15 |
第二十章 戦う決意は固く[月夜のもとに] |
階段を降りていく理事長の背中を見送ると、瞼を閉じてもう一度窓の外へと顔を向け、ゆっくりと瞼を開ける。 草薙(…この街に巣食う妖魔は必ず、私がこの手で…。) 決意の眼差しは雲一つない青空を見つめ、右手には自然と力が入ってゆく。 草薙「…もう二度とあんな思いはごめんだから…。」 そう言葉を紡ぐと渡り廊下を歩き始めた。 パタパタパタ…。 渡り廊下から離れて階段に差し掛かる時、鳥が飛び立つ羽音がどこからか聞こえてきた。 草薙「理事長先生、待たせちゃってるかな…。」 私は階段を降りると、理事長室を目指した。 …………‥‥‥‥。 パタパタパタ…。 ???「…あの程度のキズを癒すのにこんなに時間が掛かるなんて…。あの女、次会う時は必ず…!」 まだ塞がらないキズからは赤い血が滲み出ている。顔は焦りと苛立ちに支配され、目は血走っている。 パタパタパタ…ストッ。 屋上の手摺に一匹のカラスがとまった。 ???「……何?私の妖気を探ってこの学園にやってきただと?フフ…いいでしょう。決着をつけましょう…。覚醒した私の本当の力、その身に刻み付けてあげますよ…。」 (るく) |
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