10月14日 19:25 |
第十九章 人の手の温もりそして…。[月夜のもとに] |
すみれ「マスコミが来てから皆気疲れしてるんだね…。」 ナデナデ…。 すみれちゃんは子供をあやすように頭を撫で始めた。暖かく優しい手の温もりに少しずつ気分が落ち着いてくる。 すみれ「無理しないこと。いいですね?」 そう言うと手を離して授業を再開した。 ……………‥‥‥。 ――この学園は3つの建物を渡り廊下で繋ぐ形をしている。 元は女子高だったのだが、生徒数の不足には抗えず共学にする道を選んだ。 ???「………。」 窓の外を眺めている少女とこの学園の理事長が渡り廊下にいた。 ???(あれは…公園の茂みに隠れていた子か。あの子から妖魔の気配が微かにする…。でも魂自体は人間のもの。…何かある。) 理事長「草薙さん?どうかしましたか?」 理事長から話しかけられた私は、窓の外の風景から視線を戻し笑顔で答えた。 草薙「ここから見る風景が、私の以前通っていた学校のものとよく似ていて少し懐かしくて…。」 理事長「あら、そうなの?じゃあ、もう少し眺めてから理事長室にいらっしゃい。新しい担任を紹介しますから。」 そう言い残すと、鼻唄を歌いながら先に階段を降りていった。 (るく) |
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