10月13日 22:21 |
第十八章 強襲する悪寒[月夜のもとに] |
すみれ「はーい、それでは日本史の授業を始めま〜す♪」 委員長「起立!礼!」 全員「お願いしま〜す!!」 委員長「着席!」 すみれ「それでは今日は飛鳥時代からですね。この時代は儒教の伝来により、宗教色の色濃く表れた時代だと言われています。厩戸皇子(うまやどのおうじ)、皆が分かりやすいのは聖徳太子ですね。彼はこの時代……。」 教室の中はすみれちゃんの声を除くと、ノートや教科書を捲る音、シャーペンやマーカーペンで書きこむ音が耳に届くくらいに静かだ。 光一朗「……ん?」 何処からか見られているような、そんな視線を感じたその瞬間。 ゾクッ…。 光一朗「!!!」 猛獣が獲物を狙うような、そんな視線を受け掌に嫌な汗が浮かび上がる。 声を発することもできないくらいの、重くのし掛かる何かの気配に顔が青ざめていく。 すみれ「……君。……き君?」 すみれ「佐伯君!どうしました?顔色悪そうですけど…保健室、行きます?」 すみれちゃんの呼び掛けで固まっていた体が動けるようになり、顔を上げた。 光一朗「…ハァ、ハァ。だ、大丈夫です。」 すみれちゃんは右手を俺の頭の上にそっと乗せた。 (るく) |
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