10月13日 15:35 |
第十六章 時期外れの転校生[月夜のもとに] |
瓦版ていうのは江戸の頃に大衆紙として出回った今で言う新聞のことだ。一番身近な情報源として当時はかなり普及していたらしい。 ただ、この手のものはネタが無い時は胡散臭い怪物が出たとか、そういう記事が出回ることもあった。 教室に飛び込んできたのは隣のクラスの小鳥遊(たかなし)ありか。 必ず小さなメモ帳と愛用のペンを持ち歩き、生徒や先生が立ち話してるのを聞いては校内に広めている。 煙たがるヤツが大半だが、こいつの語り口調が本当らしく聞こえるため、来るのを楽しみにしてるヤツもいる。 ありか「今日のは残念ながらあの事件絡みじゃないの。今日は男子諸君に朗報を持ってきたわ。」 相変わらず身振り手振りを交えながら楽しそうに話しているように見える。俺はパンを一口頬張りながら半信半疑に耳を傾けた。 ありか「なんと、この中途半端な時期に転校生がやってくるの!しかも、元お嬢様学校の女の子よ。」 男子B「マジで?その子どんな子なの?」 お嬢様学校から転校するんだから女の子なのは当たり前だろ…。と心の中でツッコミながら話の続きを待つ。 ありか「長髪でスラッとしてて、クールな美人みたいよ。」 (るく) |
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