10月12日 21:01 |
第十三章 廻る感情の違和感[月夜のもとに] |
――――翌朝。 学園へと続く坂道を上る。いつもしていることだから意識することなく足は進んでいく。 晃「おっす。今日は眠そうじゃないな…?」 光一朗「………。」 晃「オイ!起きてるのか?!」 パンパン! 小気味良い音を立てながら背中を叩かれた。 光一朗「…あ。晃か、おはよう。」 晃「大丈夫か?しっかりしてくれよ、相棒。」 光一朗「…あぁ、悪い。考え事してた。」 晃「恋の悩みか、それとも人間関係か?話すと案外すっきりするかもしれねーぞ?」 そう言いながら、あるCMの東幹久ばりに白い歯を見せながら笑っている。 光一朗(無駄に熱いお節介焼きめ…。) 光一朗「実はさ、昨夜見たんだ…。あのマスコミの男が、見たことない制服の女子高生に抱えて運ばれていたのを…。」 晃「なんだそれ…。新手の都市伝説か?……待てよ、その女子高生が事件の犯人だとしたら…。」 光一朗「だったら殺してそのままにする方が賢明だ。場所は人目のない公園なんだから…。」 俺は間髪入れず矛盾を指摘する。 光一朗「それに、わざわざ目につきやすいことをするなんてリスクはしない…。」 頭の中の霞を払うように考えをまとめる。 (るく) |
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