10月12日 00:21 |
第十二章 邂逅と疑惑[月夜のもとに] |
…………。 公園の中から微かに何かの音が聞こえてくる。 光一朗「ん?何の音だ?」 暗闇から聞こえてくる妙な音に、少しの恐怖感と強い好奇心が沸いてくる。 好奇心から、公園入り口のそばにある茂みに隠れ、音の正体が来るのを待つことにした。 ズルズル…。ズルズル…。 何か引き摺っているような音だった。 明かりのない闇の中から響く音は徐々にこちらへと近付いてきている。 ズルズル…。ズルズル…。 ???「…………。」 微かにだが人らしき声も聞こえてくるようになった。まだ何を言っているのか聞き取れない距離だ。 ズルズル…。ズルズル…。 ???「よいしょ、よいしょっと。」 人の声がはっきりと聞こえるようになった。声からして若い女性のようだ。 ズルズル…。ズルズル…。 公園の中にある明かりの下に、声の主と引き摺っているものが入り、姿が見えた。 声の主は俺の学校とは違う制服を来た女の子だった。見た感じ高校生で同じ年頃に見える。引き摺られていたのは朝に会ったマスコミの男だった。 光一郎「(あのオッサン、気失っているのか?何かに襲われたとしたら…今抱えてる女の子は、まさか…。)」 (るく) |
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