10月11日 23:56

第十一章 救われた命[月夜のもとに]
倒れたまま動かない男の手首に指先を当て、脈の有無を調べた。


???「…ふぅ。気を失っているだけか…。」


全身から緊張が抜け、その場にペタンと座り込む。

牙から毒を体に入れられたわけではないので、短時間で命に関わることはないだろう。


ただ、全身の骨がどうなっているかはわからない。一度病院に連れていくべきなのだろうと判断し、男の両脇から腕を入れ胸の前で指を組む。

???「ん、よいしょっと…重いな。」

その体制からゆっくりと立ち上がり、体を起こした。


ズルズルズル…。

男の方が上背がある為、必然的に足はだらしなく引き摺られていく形になる。

誰か一人でも居れば力を借りて二人で運ぶこともできただろうが、居ないものに期待はするだけ損なこと。


???「よいしょ…よいしょ…。」

ズルズル…ズルズル…。

ゆっくりとだが確実に公園の出口へ向かっている。

……一方、公園近くの道路では…。

光一朗「まったく、家帰ってすぐにお使い頼めばいいのにさ…。」

スーパーに買い物を頼まれて、帰り道一人愚痴を溢している。

公園前に差し掛かると公園の中から何か音が聞こえる…。
(るく)
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