10月10日 23:20

第十章 白蛇の妖魔と謎の少女[月夜のもとに]
ザザザザザザザ…。

芝生の上に落ちていた葉が風を受け宙へと舞い上がる。

???「斬葉(ざんよう)!!」

ヒュオオオオォォォ!

地面を這うように風が駆け抜けていく。10枚程の葉を伴って…。

ザシュ!ザシュ!!


風と共に舞い踊る葉は、刃物のような鋭い切れ味を持ち白蛇の妖魔へと襲い掛かった。


キシャアアアアアアアアァァァァァァ!!!


襲い掛かる数枚の葉からの蹂躙に悲鳴を上げ、この場から逃げようと男を締め上げていた力を弱め、捨て去るように後退りをした。

ドサァ!!ズルズル…ズルズル…。

???「人間に化けていたとはな…。道理で妖気を探るのに苦労するわけだ…。」

コツン…コツン…コツン…。

???「…ミズチ。」

暗闇から姿を表したのは一人の少女だった。見た限り武器となるようなものは持ってはいない。


ミズチ「シャアアアアアアアアアァァァァァ!!」

ブオオォン!!

尻尾を勢いよく振り払い、風を起こすことで砂埃を巻き上げた。


少女「くっ!」

反射的に左手で顔を守るように翳す。巻き上げられた砂埃は徐々に晴れ、目の前にあるのは倒れた男の姿だけだった。
(るく)
閲覧(177) コメント(3)

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リエ−ル
10月10日 23:54
逃しちゃったのね
一命は取留めたが‥‥はたして‥‥、
Σまた勝手な後付けをする処でした
次も楽しみに待っておりますぞ

るく
10月11日 06:23
この話のボスみたいなものですからね。
すぐやられたらつまらないじゃないですか〜(笑)

決戦の時はもっと派手に暴れていただきます


ミニミニ妖怪メモ@

ミズチ(蛟)

ミズチは蛇や竜のような姿をした水神の一種。

首は何本にも別れ、頭には角と鬣のような毛をもち、腹は血のように赤く爛れている。

わかりやすく例えるなら古事記にあるヤマタノオロチ(八又大蛇)。

るく
10月11日 14:20
少女が追うのはミズチだけとは限りません。
なぜならこの話はオムニバス形式だから(笑)
その理由はその内語られると思います。

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