10月10日 23:20 |
第十章 白蛇の妖魔と謎の少女[月夜のもとに] |
ザザザザザザザ…。 芝生の上に落ちていた葉が風を受け宙へと舞い上がる。 ???「斬葉(ざんよう)!!」 ヒュオオオオォォォ! 地面を這うように風が駆け抜けていく。10枚程の葉を伴って…。 ザシュ!ザシュ!! 風と共に舞い踊る葉は、刃物のような鋭い切れ味を持ち白蛇の妖魔へと襲い掛かった。 キシャアアアアアアアアァァァァァァ!!! 襲い掛かる数枚の葉からの蹂躙に悲鳴を上げ、この場から逃げようと男を締め上げていた力を弱め、捨て去るように後退りをした。 ドサァ!!ズルズル…ズルズル…。 ???「人間に化けていたとはな…。道理で妖気を探るのに苦労するわけだ…。」 コツン…コツン…コツン…。 ???「…ミズチ。」 暗闇から姿を表したのは一人の少女だった。見た限り武器となるようなものは持ってはいない。 ミズチ「シャアアアアアアアアアァァァァァ!!」 ブオオォン!! 尻尾を勢いよく振り払い、風を起こすことで砂埃を巻き上げた。 少女「くっ!」 反射的に左手で顔を守るように翳す。巻き上げられた砂埃は徐々に晴れ、目の前にあるのは倒れた男の姿だけだった。 (るく) |
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