10月5日 23:26 |
第六章 現実と非現実の間[月夜のもとに] |
俺達は正面玄関を通過し、教室へと続く長い廊下を歩いている。 晃「なぁ、光一朗。あのオッサンのこと気にしてんのか?」 オッサンとはさっき合ったばかりのマスコミのことだろう。 光一朗「あぁ…。また近いうち必ず俺達の前に現れるんじゃないかってな…」 晃「だろうな。でも俺達が考えても仕方ないだろ?先生達が対応するらしいしさ。」 確かにそう言われている。でも、これから先この事件が続いた場合。この学園の関係者にも被害が出ない可能性はゼロじゃない。 いつ自分が被害者になるかもわからない…。 ガラガラ…。 教室のドアを開けると、黒板に書かれた『自習』の文字が目に入る。 この日半日は結局自習が続き、昼の時間を迎えた。 女子A「あ〜〜ん。もぐもぐ。」 女子B「こはる…あんた毎日メロンパン食べてるけど飽きないの?」 こはる「メロンパンおいしいよ?」 この女子の名前は成瀬こはる。彼女は目を2、3回瞬きすると首をかしげながら答えた。 学園の外ではまだマスコミが校門にいるのが見え、中ではいつもと変わらない風に見えても、いつもとはどこか違う時間が流れているのがわかる。 (るく) |
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