9月29日 23:51

第三章 狂い始めた歯車[月夜のもとに]
…神代市立神代学園。
神代市は割りと新しく学園都市として認定され、都市開発が進み始めたばかりだ。

女子生徒A「おっはよー、今朝のニュース見た見た?」

女子生徒B「見た!アレって隣街の高校生が被害者なんだよね?」

学園に続く坂道を登っていくと、擦れ違う学園の生徒の声が耳に届く。

朝の話題は今朝未明に起きた事件で持ちきりだ。そんなことは今の俺にとって問題ではない。

男子生徒A「ふわあぁ〜。眠い…。」

男子生徒B「相変わらず眠そうだな、光一朗。」

光一朗「ん?晃か。仕方ねーだろ、例の事件起きたの俺ん家のそばでさ…。警察に野次馬が来て起こされて…結局寝られなかったんだから。」

俺の名前は佐伯光一朗。生まれは同じ東京だが、親の転勤に合わせて四年前に引っ越してきた。編入先の中学で話しかけてきたこの男、高坂晃と知り合うことになった。

晃「ま、あんな事件じゃ警察が躍起になるのも無理ないな。マスコミも騒ぎ立ててるみたいだし…。」

そう言って晃は校門の側にカメラを構えている数人の男達に目を向ける。

何人かの生徒がマスコミらしき男達に話しかけられ、そそくさと校門を潜り抜けていく。
(るく)
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