第二十八章 不安に揺らぐ雪乃[月夜のもとに]
光一朗「…その、ごめんなさい。」
後ろに立っている二人に背中をつつかれ、謝りなさいと諭されている気がして素直に頭を下げた。
すみれちゃん「まったくもう…事件は解決してないんですから、自分でも気を付けなきゃ…あら?草薙さんに久遠寺さんじゃない。」
すみれちゃんは俺の後ろにいる二人に気付き、怒っていた声のトーンを上げた。
光一朗「…え?なんでこの子の名前知ってるんですか?」
すみれちゃん「草薙さんは、明日から学園に来ることになってるから。今日、顔合わせしたの。」
光一朗(…この子がありかの言ってた転校生だったのか…。しかし…)
草薙「…ん?何をジロジロ見てる。この制服が気になるのか?」
お嬢様っていうからどんな世間知らずが来るのか気にはなっていたが…。お嬢様よりも女王様の方がしっくり来そうだな…。
そんなやり取りをしていた俺達と違い、雪乃は不安そうな顔をして俺の上着の裾を掴んで二回引っ張った。
光一朗「…ん?」
後ろを振り向くと、顔が見えない程にうつ向いた体制の雪乃がそこにいた。
彼女は不安に押し潰されそうな小さな声を絞り出し、何かを訴えるように口を開いた。
やっぱり無謀でした[日記]
昨日の夜から咳が激しくなりまして、先程病院へ行ってまいりました。
風邪が流行ってるらしく長椅子に横たわるお婆ちゃんや咳を繰り返す男性などなど…。
私も咳が大変で行くと先生の第一声が
医師『風邪引いちゃったの?しかも咳で苦しい?大変だねぇ〜(笑)』
大変だから来てるんです。しかも何で笑顔で楽しそうなしゃべり方するんですか?
咳止めと頓服薬にトローチとそれから……。
何故か診察してる間目が生き生きしてるのを見てココ大丈夫かな…と心配になってましたケホコホ…
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