第二十四章 ミズチの策略‐罠‐[月夜のもとに]
風に靡く長い黒髪を右手でたくし上げ、ゆっくりと、無駄の無い動きで近付いてくる。
彼女は久遠寺雪乃。
俺が去年の夏に晃とありかの三人で買い物に出掛けた時に知り合った子だ。
しつこく男に言い寄られ、困っているのを助けたのがきっかけだった。
今ではありかと同じクラスになり、二人でよく出掛けるらしい。
雪乃「あら?そちらの方は…彼女さん?」
草薙「…違う。今知り合ったばかり。」
雪乃「そうなんですか?ごめんなさい。何か早とちりしちゃったみたいで…。」
早合点したことを詫びながらも、俺に向けられる視線は『残念。フラれちゃいましたねぇ…。』と言わんばかりだ。
ジャリ…ジャリ…。
雪乃の後方から全身黒ずくめの人が歩いてくる。
???「………………。」
草薙「…!!」
黒ずくめの人間は咲耶の背後を通り、すれ違いざまに何かを告げると石段を降りていった。
『今ここで戦えば他の二人に危害が及ぶ。その代わり面白いものを用意しておいた…。』
咲耶がずっと黒ずくめが降りていった方を眺めているのを変に思い話しかけようとした瞬間…
ボコッボコボコボコ…!!
地面から何かが這い出してきた…。
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